ダンスホールで時折見かける
なかなか素敵な光景についてお話しましょう♪
現在のダンスホールでは
男性客は非常に少なく、
お客さん同士が踊って楽しむというよりは、
女性客が職業ダンサーに踊ってもらう
というのが遊びのメインになっています。
お店に雇われているダンサーであれ、
女性客に直接雇われているダンサーであれ、
いずれも構図は同じ。
男性客が女性ダンサーにお金を払って
踊ってもらうケースもあるにはありますが、
基本的に男性客の数が少ないのと、
どーやらその世代の男性諸氏は
奥様に財布を握られているのか
単に遊びが下手なのか、
女性ほど金離れが良くない(笑)ので、
女性ダンサーがよほどでないと、
なかなか商売としては成立しないようです。
まあ、その辺のレストランの
ランチ風景を見ても、お客さんの
ほとんどが女性であるところを見ると、
男は経済的に虐げられているか、
もしくは外で他人と交流すること自体が
苦手なんでしょうな(笑)
まあそれはさておき。
ダンスホールの女性客の中に、
席につくなり手帳を広げ、
何か一心不乱に書き留める人をたまに見かけます。
ちらと見れば、罫線を引き、
ダンサーの名前を書いたその横に並ぶ『正』の字。
さらにワルツ、タンゴ、スロー、ルンバ
などの種目名と、〇△×の記号…
誰と何を何曲踊ったか、正正正…
その踊りの評価〇△×…
競馬新聞かと思った( ̄△ ̄)
まあねえ…
美意識にも個人差があるんだろうから
一概に非難はせんけど。
ただ、あなたが一緒に踊る相手を
単なるダンシングマシンとして
見ているとしたら…
断言します。
相手の目に映るあなたは、
女性でなくお金(笑)
仕事と割り切れる男性なら、
陰でペロッと舌を出しながらも
にこやかに応対はするでしょう。
「いやーいつも素敵ですね♪」
「お上手ですさすが♪」
「え?!マジですか40代かと思ってました!」なんて
お世辞のひとつも言ってくれるかも知れません。
でもね、一曲ナンボの世界の行きつく先は、
要するにそういう人間関係なんですよ。
今日一日、遊びに来て、
あなたと過ごして楽しかったと。
また踊ってくださいね、と。
その気持ちに
さりげなくお金を絡ませるのが、
粋でオシャレな大人の遊び
ってもんじゃなかろうかと、
昭和のおいちゃんは思うワケですよ(*´ω`)
毎週一回、決まった曜日に
遊びに来てくれるお婆ちゃんがいました。
にこやかに静かに何時間か遊んだあと、
帰り際にこっそり、人目につかないよう
煙草をひと箱手渡してくれるの。
「年金暮らしでねえ、大したことしてあげられなくて申し訳ないけど」って、
はっきり言葉にこそせずとも、気持ちはイヤというほど伝わりました。
お金持ちの女性で
いっぱいくれる人はいましたよ。
それはそれでもちろん嬉しいし、
実際そのおかげでご飯食べられたんだから。
でもね、あのお婆ちゃんの静かな佇まいと
品のある顔は忘れません。
まあ、昔の話です。
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