訃報とその遺志・ブルース


桝岡肇先生という

日本のダンス界をリードしてこられた

偉い先生がお亡くなりになったそうです。


おいちゃん恥ずかしながら

この方のことを存じ上げませんで、


FBで懇意にしていただいている

月刊ダンスビュウの編集者

吉川有機さんの投稿で、

とてつもない大御所だった

ということを知りました。


まずは合掌。



さて、その吉川氏の投稿より、

とても興味深いものを見つけました。


おいちゃん常々ブルースだジルバだ、

遊べや遊べと騒いでおりますが、

本日のお題はこちら。



ちょと長いですが、今現在ダンスを嗜む方

すべてに一読の価値ありと考えますので、

全文引用ご容赦。


【リズムダンスと日本社交ダンスの話】 


数年前、幸運にも桝岡肇先生に長くお話しを伺う機会があったのですが、そのとき「一番好きなダンス種目はなんですか?」という質問に「リズムダンスだね!」と答えられたのはとても印象的でした。 
リズムダンス(スローリズムダンスとも)は英国のダンスで、バーやレストランでも踊れるようなコンパクトなペアダンスの総称です。日本で言うブルースのイメージで大体合っていると思います。


 桝岡先生といえば、日本の社交ダンス界を長きにわたり牽引し、また形作ってこられた、いわばダンス界のレジェンド中のレジェンドです(昭和38年の全日本選手権・ラテン部門初代チャンピオンetc)。 その人が一番好きなダンスとして競技種目ではないダンスを挙げられたのにはシビレました。  
リズムダンスは自由なダンス、即興性の強いダンスです。 かかっている音楽とその場の雰囲気に合わせれば、あとはどう踊ってもいい。どれだけお互いに気持ちよくなれるか、だけです。ダンスを習ったことがない人ならチークダンスのように揺れるだけでいいですし、ダンスをよく知っていればいるほど好きなステップを組み合わせて好きに踊れます。
 桝岡先生ほどの名手となればさぞかし楽しく踊れたことでしょう。  


リズムダンスはIDTAの公式テキスト、つまりダンスの教科書にも載っていました。それもつい最近まで。 2007年の改訂で外されましたが、それまでは「ソシアル・リズム」の名でシラバスもあったのです。 掲載されているフィガー(ステップ)は8つほどですが、ブルースではあまり使わないプロムナードを使うものもあり、これはアメリカンスタイルのフォックストロットの方が近いなと思いました。

 ブルースとフォックストロットについては前に投稿しました。それは、もしブルースがフィガーの種類が少なくてつまらないから廃れたのなら、フォックストロットに学べばいい、というような内容だったのですが、なんのことはないイングリッシュスタイルにもちゃんと備わっていたのです。日本の社交ダンス界がないがしろにしてきたブルースですが、勉強しようと思えば身近にある教科書にも出ていたわけです。 


ブルース(=リズムダンス)を踊らない教えない傾向が、いつどのようにして広まったのか、私はとても興味があります。  

私は以前からずっと考えていることがあります。 いったいなぜ日本の社交ダンスは、簡単なダンスを気楽に踊るような雰囲気を忘れてしまったのでしょうか。もっと言えばいったい誰が(何が)そうしたのでしょう。 

日本の文化的風土と風営法のくびきから逃れるため、業界あげて競技化(=健全化、スポーツ化)を進めてきた歴史については私も充分認識しているつもりです。 しかし、一方でその歴史を知る先生方に話を伺うと、遊びのダンス(=日常的ダンス文化)の重要性や効能(普及や基本動作習得、リズム感育成の助けetc)を語られる方も多く、ならばなぜという思いを一層強くします。  

誰かを断罪しようというのではありません。業界の思惑、個人の思いなどとは関係なく醸成されたのかもしれません。 ただ、もしかしたら桝岡先生が一番好きな種目に「リズムダンス」の名を挙げられたのは、気楽に踊ることを忘れかけている社交ダンス界の現状を鑑みてのことだったのでは、と想像をたくましくしてしまうのです。



同じくこちら、

桝岡肇先生の訃報に関して

おいちゃん世代のダンサーにとっては

神様のような存在である

田中英和先生の投稿



…略
最後の最後に桝岡先生宅に泊まらせていただいた、おそらく最後の人間として、先生の志を受け継ぐ宿命を感じずにはおれません。
先生、本当にご苦労様でした。安らかにおやすみください。 
合掌




『極めた方』と言って差し支えないでしょう。

おいちゃんあたりが言うのとは

ワケが違う(笑)


吉川さんの言葉を借りれば

遊びのダンス(=日常的ダンス文化)の重要性や効能(普及や基本動作習得、リズム感育成の助けetc)。



もうね、

虎の威、思いっきり借りるけど、

なんか文句あります?(笑)




現役の先生方、改めてお願いします。

どうか、これから新たに

ダンス界に入ってくる人たちに、


楽しい、気持ちいいから始まる踊りを

教えてあげてください✨




★オマケ

~桝岡肇先生の遺志を継ぐソーシャルな人たち~



●吉川有機さん


FB投稿もういっこ♪

タイトルはブルースだけど、

ジルバの部分を引用。


【ブルースをどげんかせんといかん】

…略…

プロの先生でも踊れないとか平気で言っちゃうほどなぜか地位の低いジルバですが、森内先生はちゃんと勉強されていて、ワザも豊富だし、とてもわかりやすいレッスン。しかもジルバがカッコイイ。 

社交ダンスは真面目にやりすぎるとラフに踊れなくなるようで、サルサでもスウィングでもそのジャンル専門の人たちからすると、社交ダンス経験者は「社交くさい」(ヒドイ…泣笑)と言われちゃうこともあるんですね。 
ジルバも遊びのダンスですから、ピシッとしたスタイルよりもちょっと弛めた感じがイイと思うんです。 これまで社交ダンスの先生方のジルバを見てきた印象からするとなんか硬い(笑)。

 たとえばベーシックのステップ「S・S・Q・Q」の最初のSに両足揃えるんですが、あれ揃えないほうがいいと思うんですよね。 そもそもジルバは少し速いくらいの曲が楽しいのですが、速い曲になるほど足を揃えるのは難しくなります。体重移動だけで十分にノリは感じられますし、その方が楽です。 
一般的な社交ダンスパーティでジルバがかかると、私にはテンポが遅いことが多い。遅い方が踊りやすいという気遣いなのかもしれませんが、結局間が持たなくて身体も大変だと思うんです。これはまた別の機会に書こうと思いますが、「楽に踊る技術」を教えてくれる先生はほとんどいません(笑)。 
昨日かかった曲はテンポもいいし、知らないステップをいくつも習えたしで大満足で帰ってきました。 まあそういうわけで、社交ダンスの先生でもきちんとジルバを考えていてくれる方がいることを知ってとても嬉しくなったのでした。

…略…



その吉川有機氏。

ダンスファンの休刊で、事実上唯一のダンス雑誌となったダンスビュウの編集者をしておられます。


ご本人はアメリカン・ソーシャルLOVEだそうですが、何たってありとあらゆるダンス情報にお詳しい。

今後、社交ダンスのソーシャルな一面が普及の原動力となっていくならば、情報発信の部分でその中心的役割を担うことになる方だと、おいちゃんは思ってます。

ちょっと吉川さん、聞いとる?


ダンスってもっと気軽に楽しんでもいいんでないの?と思っているそこのあなた。彼とつながっておくことをお勧めします。FB友達申請は常時受け付けておられるようです。



●誰シャコくん

踊る出逢い講座を始めてまもなく知り合った方ですが、彼の社交ダンスに対するスタンスが自分とひじょーに近く親近感をおぼえるのです。ブログ記事はすべて読破しました。

最近では、夜中にちょくちょく「おいちゃんに抱かれたーい」とメールをくれます(嘘)


ソーシャル派として情報発信で吉川さんが活躍するなら、メンタル面の教育に関してはこの人をおいて他になし。ダンスを教える仕事に携わる方こそ、彼の話に耳を傾けてほしいと切に願います。

ちょっと誰シャコくん、聞いとる?


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