初めての彼とお店で食事して、店員さんに「ごちそうさまでした」と言ったら「ご馳走したのは俺なんだからさぁ」「ていうかいただきますとか家じゃないんだから」と言われた。
という話が炎上気味になってました。
コメント欄は「キモい」「あり得ない」「無理」「ヤバい」の大合唱。ちょと語彙が少なすぎやせんかって話はさておき、まあ大方みんな拒絶反応は示すんですな。
おいちゃんはひねくれ者だから、みんなが声を揃えた時は、何らかの形でそこに嘘があると見ます。
居並ぶこのコメントには、ある意味脊髄反射的な同調圧みたいなところもあって、「そういう言い方をされたらここはそのダメ男叩きに回るべき」という暗黙の了解がそこに成立している。
反論でなくても、ちょっと捻った物言いでもしようもんなら「じゃあなたは店員さんにお礼言わないのが正しいって言うの?!きぃぃぃいーっ!」なんて流れ弾をくらったりもするもんだから、まあしょーがない、賛成でも反対でも、ちょっと違った角度からの意見があっても、大人はたいてい黙って放っとくことになる。触らぬバカに祟りなしってところ。
ド正論を大上段に振りかぶり、声高らかによってたかって他人を叩く図をもはや見ない日はないというくらいですが、んな当たり前のことしつこく大声で言わんでもえーがなと感じる人は少なくあるまいと。
ひとことで言えば、見苦しい。
このダメ男とどっこいですよあーた。
「お客様は神様です」も、元はありがたや~という感謝の言葉だったのが、「こっちは客だぞ!」という主張に使う輩が現れて、今ではクレーマーの代表格みたいに扱われます。
ただこれに対し、道徳の教科書みたいな言葉を振りかざしキーキー騒ぐのは、たいていは子ども。「もしかして自分にもどこかにそんな気持ちがないだろうか」という想像力は持ち合わせとらん。
でも、どう?
「お金払ってんだから…」と思ったことのない人、おる?
おいちゃんなんか、お金関係なく「なっとらん!」って、しょっちゅうブーブー言っとるが。
もちろん、対価に見合うサービスを受ける権利はあろう。が、そこに相場がなけりゃ、どの程度のサービスに対しておいくらなんてのは主観でしかなく、サービスの売り手と買い手の間でそこに価値観の相違があれば、いつでもトラブルの種にはなる。
故・高倉健が「ギャラ1万円でどんな演技をしてもらえますか」と質問した記者に対して、柱の陰から小指を一本ちらっと見せたとか。真偽のほどは知らんけど、まあ話としてね。
彼が思い上がっていると叩くか、
質問した記者を意地悪だと責めるか。
相手が高倉健だけに記者を悪者にする向きが多かろうとは思うけれども、じゃその辺の中堅クラスの芸人かなんかが同じことをやったら?
おそらく逆の声も増えるんやなかろかね。芸につける値段なんてのは、人それぞれだ。
「お客様は神様です」は、三波春夫だっけね。芸事を売る人の言葉として至極もっともというか、そういう心持ちで励めよということでしょう。
一般人が居酒屋かどっかで小銭はたいて威張るために使う言葉ではないのをまず前提として、さて遊びダンス界。
前記事で、「1000円の参加費を初心者半額にする意味があるのかどうか知らんけど」と書きました。
これは高い安いということを言ったワケではないんですが、話がとっ散らかりそうで諦めて一言で済ませちゃったので、それについて補足的なことを書いておこうと思いました。
まずよそでお話した内容から抜粋。
キャリアもレベルも違う人たちが一堂に会してやるワークショップというのは難しいよねー
基本的にはレベルの低いところに合わせることになるけど、そうするとレベルの高いところが飽きたりするから、これはこれでまた気を使うしー
…と感じるのは、サークルで教えた経験の豊富な先生だと思います。
…略
以下、遊び場からの視点を少々。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜~~~○初心者を集めて育てる
○キャリアやスキルの高低に関係なく、一緒に楽しく遊べることを体験する
このどちらが主な目的なのかによって、ワークショップなのかパーティなのか、名称も内容も変わってくると思います。
前者ならば、〇〇さんのおっしゃるように、ターゲットを絞った講習が必要になるでしょうが、そのノウハウは社交ダンス部にじゅうぶん備わっているはず。
問題は後者。その場合、
学ぶべきは経験者の方かも知れません。
特に教えることで対価をいただく立場にある者は、自分を含めですが、「踊ってあげる」という気持ちになりがちです。そしてその気持ちは、パーティなどの遊び場においてプラス面は何もない。
…略
現状では、社交ダンスの「パーティ」と言った場合でも、見知らぬ人をドキドキしながら誘うという経験のある人は、ある程度より年齢の高い層にしかいないんじゃないかと。
相手がどのくらい踊れるのか分からない、もしかしたら断られるかも知れません。年配の先生方でも遠い過去の話、若い先生なら未体験ゾーンかも知れませんね。
例えばウィーンのお城で開かれるえっらい高貴な舞踏会とか。
コロンビアあたりの、みんな酒飲んだりコカインでもキメまくって大暴れしているダンスフロアとか。(←想像と偏見です)
そんなところに間違って紛れ込んでしまったことを想像すればよろしい。先生方でもちょと怖いでしょ(笑)
怯えている初心者がちょっと安心して解れ楽しめるかどうかは、パーティに参加している先輩たちのふるまいひとつ。寂しそうに、つまらなそうにしている人に目を配るというのも社交のスキルです。
そんなワケで。先々のことを考えると、ダンススキルを持った人たちの社交スキルを磨くのがより大事という意味で…
…略
こと遊び場においては、別に踊れる人(先生含め)が偉いワケやないよって話。さらに言えば、現状、社交ダンスの先生ってけっこう社交下手やない?って皮肉も少々(笑)
そして今回はここからが本題。
初心者半額…というのは、金額云々やなく、「あなたは神 お客さま」と最初っから刷り込んどる、もしくは提供側に刷り込まれとるんやないかと思うわけです。
レッスン、ワークショップならいい。
体験無料、初心者割引、おおいにけっこう。
しかしパーティ、遊び場においては、初心者がこれでもかとお客様扱いされる必要はない。踊れる人が偉いワケじゃないのと同様に。
踊れる人には踊れる人の、初心者には初心者の役割があります。そしてそれは、どちらが上とか下ってもんじゃない。
経験者がちょといいカッコさせてもらえるのは初心者がいるからだし、逆に初心者からしたら、あんな風に踊りたいなあと刺激がもらえ、技を見て学んだり盗んだりすることができるのは同じ場に踊れる経験者がいるから。
それぞれが傲慢になったり卑屈になったりするのは、ひとえに各人の社交スキル不足、経験不足、それ以外の何ものでもない。
初心者でも遊び上手な人は、できなきゃできないことを武器にして人に絡み、自分でどんどん楽しみを見つけます。
もちろんそんな器用に積極的にできる人ばかりやない、壁にへばりついて怯えるしかない初心者だって多い。そういう時、さりげなく手を差し伸べほぐしてあげられる経験者がいれば、そらモテないワケがないでしょう。
前回も書いたように「習い事」オンリーにしちゃうと、そういった社交、遊びのスキルは決して身につかんのね。「自分の先生やグループの仲間以外とは踊れません」という人のいかに多いことか。
遊び場を作るのは、そこにいる全員の仕事。
先生も経験者も初心者も未経験者も、一切関係ない。
「さああたしを楽しませてちょーだい!」って一方通行な人は、まあそれもいい。楽できるぶん、お金いっぱい払いなさい。
そういうサービスもダンス界にはいっぱいある。それが対価ってもんだ。
★おまけ
どっかのまとめサイトで拾った、クレイマーに対する店員さんの切り返しが秀逸。
「疫病神さまっ」
「すみませんが、他の神様のご迷惑になりますので」
「私どもにも信仰の自由がございます」
2コメント
2018.10.01 07:09
2018.10.01 06:36