劣化コピーは不幸の連鎖


Henri Matisse アンリ・マティス (1869 - 1954)French "The Violinist at the Window" 1918
習うのではなく学ぶ姿勢

FB友達の折戸朱美さんという画家の方がシェアしておられた絵です。


おいちゃん絵はからっきしなんだけど、『習うのではなく学ぶ姿勢』というタイトルが印象的で保存してありました。


以前、教わる側の姿勢について書いたことがあります。

早く上手くなる人の特徴1)

早く上手くなる人の特徴(2)


今回は教える側について、

思うことを綴ってみようかと。

『上手にさせる先生の特徴』

と言ったらちょと口幅ったいですが、

自分が教わるならこんな先生がいいな

という意味で(^^;



だいたい人間、「先生」なんて

呼ばれ慣れるとロクなもんにならん

というのがおいちゃんの持論です。

実るほど頭を垂れるってやつですな。

胸張って威嚇する稲穂から採れた米は、

たぶん不味い(笑)



先生には二通りあります。

1.私のようになりなさい

2.あなたらしくなりなさい


ダンスで言えば、

正しい(とされる)形に当てはめ、

自分の動きに合わせるように教えるタイプが1。


その人にとっての正しい形や動きを

探すのを手伝い、

障害となっている身体の癖を見つけたり

音の感じ方のヒントを与えたりしつつ、

相手の気持ちよいダンスを

掘り下げていくタイプが2。



まあこんな書き方をすりゃ、

2の先生がいーよって

ハッキリ言っとるみたいなもんだけど(笑)

実はこれがひじょーに難しい。


1と2の境目も往々にして曖昧。

何でもOKとは言いながら、

本当に何やってもいいワケやないから、

時に1にならざるを得ない時もあるし。


だって、それがあまりに

一般的なところからかけ離れとると、

その人が他の人と踊った時

まるでコミュニケーションとれないんじゃ

またペアダンスやる意味がないもんねえ(^^;



が、それは先生の匙加減にゆだねるとして、

根っこにある心構えというか、

他人さまを教え導く者として

どうありたいかって話に絞れば。


ダンスに限らんと思うが、

物事正解なんてのは幅広いものでさ。

釣り銭の計算なら

答えがいくつもあったら困るけど(笑)

昔、国語のテストで四択〇×問題の「正解」に

「どれも正解じゃん!」

としばしば噛みついとったおいちゃんは

なおさらそう思う。


その先生のお好みポイントの

前にも後ろにも、右にも左にも、

四択どころやない、

ずらーっと正解が並んどるのよ本当は✨


「先生」と呼ばれるにあたって、

本人が常に「たかがワタシみたいなもん」

って気持ちを持っとることは

とても大事なことだと、

自戒を込めてそう思います。


自分の解ることなど、高が知れとる。

世界はもっと広く、

上を見ても下を見てもキリがない。


その中のほんの一部分、

今この時においてのみ、

自分が目の前にいるこの人が

この人らしく輝けるための

手伝いができるなら…




あーいかん、美しく殊勝なこと書いて

それらしくキメようとすると唇が…

いやキーボード打つ指が寒い_| ̄|○、


…てか、ふつーに部屋が寒い(-_-;)



まーね、「たかがワタシ」って、

自分もできんけど、たまに振り返って

反省する材料にはなるしょ(^^;




先生は、生徒さんのダンス人生のきっかけ。

目指すべきゴールではない。


身長が、体重が、手足の長さが、

バストがウェストがヒップが、

音の聴き方が、洋服のセンスが、

目の大きさが鼻の大きさが、

態度のデカさが口の悪さが。


たった1ミリでも違えば、

ゴールはそれぞれに変わる。

十人十色どころやない、

百人百色、千人千色。


断言してもいい。

そう言われていっこも耳の痛くない先生は、

レッスンで自分のコピーを

せっせと作っとることに気づいとらん。


コピーを目指した生徒さんは、

自分らしさを見つけることもなく、

たぶん幸せなダンスは踊れない。


そして、さらに不幸なことに。


その人は周りに対し、

自分がされたのと同じ方法で

さらなる劣化コピーを増やそうとするのだ。


当たり前だわな、そのように教わり、

それしかやり方を知らんのだから。

それが唯一の答、

正解だと信じとるんだから。




繰り返します。

ダンスの正解は、

思われているよりとても広い。


みなさん、どうぞ楽しいダンスライフを✨



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